トクリュウに思う事
性犯罪をはじめ、犯罪関係のニュースが流れると、刑罰が犯罪を思いとどまらせる役に立っていないのでないか、刑務所に入っても再犯を防止する効果は薄いのでないかといった議論が起こることが多くなりましたね。
いわゆる闇バイトとして犯罪に加担した未成年者の中には、少年法があるから捕まっても罪は軽いと言われて勧誘された人もいたということです。実際には刑罰そのものが成人よりも軽くなったとしても、それにより失われる時間は、未成年者の方がより以後の人生のために大事であり、また影響も長く残るということは、相応の分別があれば思い至るでしょう。未熟のためか環境のためかその力のない人が犯罪に利用されてしまっていることは誠に残念で、刑事制度だけでなく社会そのものの是正が必要であると多くの人は考えておいでと思います。
思えば学校教育では、わずかに道徳や倫理を学ぶ機会はあっても、社会に出てから実際に適用される法律や制度について知る機会は、ほとんどないのではないのでしょうか。大学まで行ってようやく教養として知識を得る機会が巡ってきても、多くの学生は就職や資格の勉強、あるいはアルバイトなど他の多くの懸案に手いっぱいで、進路や資格のために必須でもなければわざわざ法律を学ぶことなどないと思われます。
とはいえ教育現場の教師の皆さんは、学習指導以外の仕事に追われて学生や生徒に増して余裕がないでしょうから、カリキュラムの一部として法制度の学習を組み込むのもまた現実的ではないでしょう。
弁護士会の活動の一環として、弁護士が学校に出張授業の講師として派遣されることもありますが、継続的に触れるこ都がなければ、学生や生徒の皆さんの心に根付くことは期待できません。
ひとつの可能性としては、海外の学校や国内の一部で導入されているスクールロイヤーの仕事に、学生や生徒の相談対応や当局者へのアドバイスのほか法教育の役割を含めることでしょうか。法律専門家がその経験から実社会でつまづきがちな法的トラブル、そして犯罪の割に合わなさを生々しく語るならば、忙しい中にも興味を惹くところもあるでしょう。
担い手の問題はありますが、もとより弁護士には公共のために一定の奉仕をする義務が課せられています。今は国選弁護、法テラス事件、弁護士会関係業務といった活動を行うことでその義務を果たすことになっていますが、全国の学校をその場に加えることができるならば、社会の要請に応えることもでき、業務との関係上従来の方法によっては義務を果たすことのできない弁護士にとっての利益にもなるのではないかと思います。
そのためには教育界と司法関係者の更なる連携が図られ、また市民の皆さんの声が高まることが必要ですが、この問題が社会の主要な関心になるというのも、それはそれで憂鬱な未来かもしれませんね…
いち実務家として私も、どのような解決の道があるのか、引き続き考え続けていきたいと思います。
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