現代ではどのようなサービスを利用するにも、まずネットでクチコミを検索するのが当たり前のようになっていますね。
最近はAI検索経由で私どもの事務所を相談先に選ば
・・・(続きはこちら) 現代ではどのようなサービスを利用するにも、まずネットでクチコミを検索するのが当たり前のようになっていますね。
最近はAI検索経由で私どもの事務所を相談先に選ばれる方も増えてきておりますが、ご依頼人様が弁護士に依頼した結果はご自身のトラブルの内容にも触れることになるため、なかなか他の方とは共有しにいと思われますので、AIが参照しているのも様々な検索サイトや地図サイトに残されたクチコミが主であるのかと思います。
こうしたクチコミは書き込んだのが実際のご依頼人様(あるいはご相談者様)なのかどうかチェックされることなく誰でも書き込めるのがほとんどでしょうから、個人的には弁護士や病院を選ぶときにそれだけを参考にして決めるのはどうかなと思うのですが、依頼中はご依頼人様が自身の代理人に対し直接面と向かって不満を述べられることも難しいでしょうから、フィードバックとして貴重な情報であると考えています。
(なお、当事務所ではご依頼人様にご依頼直後~終了後にかけて何度かにわたりご意見承るためのアンケートを実施しておりますので、ご依頼に関しご意見がおありの方は外部サイトに依ることなく表明して頂くことができるようになっております。当事務所のご依頼人様におかれましては、どうぞ忌憚なきご意見をお寄せ下さいますようお願いいたします。)
ところで最近、ある弁護士が全国の裁判官のクチコミを集めるためのウェブサイトとアプリを立ち上げたというニュースがありましたね。
これらは弁護士一人がAIの補助を受けて短期間で作成したものとのことで、検索もそうですが今は思い付きを形にする敷居が下がったものと実感します。
事案を担当する裁判官の性格や方針、思想などによって、結論が左右される事件がたまにあることは同業者であれば身に染みてご経験がおありかと思いますが、標準的な訴訟指揮から外れた訴訟運営をなさる裁判官があらかじめ情報共有されるのであれば、それは代理人としても有用な情報であるには違いないでしょう。
しかし悲しいかな、弁護士はクチコミを見て誰に依頼するか決める余地がありますが、担当裁判官が誰になるかは管轄によって限定され、さらに事案の継続するタイミングにより無作為に決定されてしまうものですし、担当裁判官が依頼者にとって好ましからぬ人物であったとしても交代させることは基本的に不可能であり、その点正確なクチコミ情報があってもこれを生かす機会は極めて限定されることでしょう。
それに、既存のクチコミサイトの難点である誰でも情報提供できるがゆえに内容の信用性が担保されない点はこちらも同じようで、よほど多くの情報が集まらなければ、本物の関係者、訴訟などで実際にその裁判官の訴訟指揮を体験した人からの生の情報を拾い上げる役には立たないかもしれないですね。
元々そのサイトとアプリも、開発者の弁護士によると「クチコミは投稿者の主観でしかないことは利用者はみな理解しており、ウソが含まれていても直ちに閲覧者がそれを信じるわけではない」という理由で裁判所がクチコミを書かれた側の信用棄損等を認めない傾向に対する一種の皮肉として作成された様子があり、クチコミ特有の問題はあえて排除されていないということでしょう。
そういうわけで私たち弁護士が業務に関してクチコミをうまく利用できる立場になるのはまだ先になりそうです。弁護士会はずっと前から全国の裁判官に関して会員から情報を収集、つまり情報源を弁護士に限定してクチコミを募集しているのですが、寡聞にしていまだその結果が共有され業務に生かせる水準の集合知に結実したという話は聞きません。裁判官は数年単位のローテーションで全国を転勤するということもあり、情報の糾合と分析が追い付かないのかもしれませんね。AIの利用について弁護士の中にもいろいろな意見があると思いますが、この件に関してはAIがなんとか打開してくれませんものでしょうか!