弁護士業務に伴う危険
先日、建物明け渡しのために訪れた執行官と家賃保証会社の人が住人に襲われて、保証会社の担当者が亡くなるという事件がありましたね。
明け渡しを求める側の代理人として何件も同様の現場に立ち会ったことがありますので、他人事ではなく感じました。
これまで手掛けた事件では、住人は既にどこかに行ってしまった後で、無人の部屋の片付けを見守るだけでしたが、このようにまだ人が残っている部屋の明け渡しをやるとしたら、自暴自棄になった住人が暴れるなどのトラブルは常に見込まれますから、屈強なガードマンや警察官の応援を得て実行するのが普通ではないかと考えていました。今回の悲劇について詳しい事情は分かりませんが、凶行を止められなかった原因を深く検討し、今後同様の立場の人が危険に遭うことを減らすよう努めるのがせめてもの供養だと思います。
市民のトラブル解決を引き受ける弁護士の仕事は、時にこうした物理的な危険にさらされることもあります。債務整理絡みで難しい事件を担当しているとき何者かに事務所が放火されたり、示談交渉のために真夜中に人気のない工場に呼び出されたり、そこらじゅう犬猫の便まみれの家に踏み入ることになったり…決して事務所と裁判所を往復していればいい気楽な仕事ではないのです。
ただ、私たちがそういう役目を負わなければ、世の中はもっとトラブルにあふれた殺伐とした世界になっているかもしれません。弁護士という仕事はサービス業であると同時に、社会のインフラとして誰にでも手の届くところになければならない、最近の物騒なニュースを聞く度につくづくそう思います。
執行官たちを襲った犯人も、弁護士や法テラスにつながっていれば罪を犯すことにはならなかったかもしれません。ですがそうした助けを得られる手段までたどり着けない人、背を向けてしまう人をどうしたらいいか。積極的に手を伸ばすことのできないこの仕事の性格上、悩ましいところです。
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